勤怠管理をクラウド化する前に知っておきたい7つのポイント

クラウド勤怠管理システム、導入したいけど……

ところどころ抜けたり重なっていて読めない打刻、紙の残業申請書にエクセルの有給管理簿…アナログで勤怠管理をするのはもう限界!



そんな背景から、勤怠管理の業務効率化、そしてクラウド勤怠管理システムの導入を検討される企業さまも多いのではないでしょうか?
コムデック自身も数年前に勤怠管理をクラウドサービスに移行し、「タイムカードを作り、回収する時間」「手計算で集計する時間」「給与ソフトに打ち込む時間」とおさらばすることができました。

そんな「使えば確実に便利になる」クラウド勤怠管理システムですが、導入のためには「自社の勤怠ルール」をしっかりと把握し、設定に落とし込むことが必要不可欠です。
しかし、多くの会社において実は曖昧な運用がされているのが「勤怠」。

実際に、コムデックが導入をご支援させていただいた多くの会社さまで、経営者の方と担当者の方で認識が異なっていたり、ぼんやりとしたルールのままで運用されているケースがありました。

クラウド勤怠管理システム導入の大きな目的の一つは、「誰がやっても同じ結果になる」ことにあります。
人によって判断基準が異なる運用方法を見直し、自社のルールを定めるためには、まず勤怠管理の基礎知識が必要です。
コムデックが多くの会社さまに導入するなかで見出した、「勤怠管理者が知っておくべき勤怠管理の7つのポイント」を丁寧に解説いたします!

ポイント1:管理すべき4つの時間

勤怠管理には4つの時間が存在します。
ひとつめは出社時間、つまりタイムカードで打刻をした時間、ふたつめは実際に仕事を開始する始業時間、みっつめは仕事を終える終業時間、そして帰る前に打刻をした退社時間です。

この「出社時間」から「退社時間」で給与を計算する、工場等に多いタイプであれば、例えば朝8時に来て打刻、そして夜9時に打刻、出社時間と退社時間さえあれば問題ありません。
これは1分単位で給与を支払うマクドナルドや工場勤務などに多い形態です。

しかし我々一般事業者については、少し状況が異なりますよね。
会社に来て打刻をし、準備をして9時から業務開始、そして20時まで残業をして、少し同僚とおしゃべりをしてから帰り際に打刻…
この形をとると、朝の出社時間から始業時間の差、もしくは終業時間と退社時間の差が発生します。

どこからどこまで給与を払うべきなのか、どこからどこまでを「労働時間」と見なすべきなのか、それらを正確に把握するために、出社時間と退社時間だけではなく、始業時間と終業時間を含めた4つの時間を管理する必要が出てくるのです。

多くのクラウド勤怠管理システムにおいても、初期設定では出社時間から退社時間の二つの時間をつかって集計していきます。
そこで、給与が発生する実労働時間だけを集計するために、定時の始業時間・終業時間を追加で設定する(労働の予定を設定する)場合がほとんどです。

その上で、定時の前後の労働、つまり残業時間を算出する場合には、従業員本人から残業の申請を行っていただくことが多くなっています。
これまで残業は自動で算出していたという企業さまは、残業申請制を取り入れることで、残業への意識付けを行うことができます。

ポイント1
「勤怠管理」においては「出社時間」「始業時間」「終業時間」「退社時間」の4つを管理する必要がある

ポイント2:休憩時間の打刻

多くの会社様ではお昼1時間休憩、あるいは昼40分、午前午後に10分ずつの休憩をとられていますが、実は休憩時間は労働基準法により定められています。

6時間までの労働時間であれば本来休憩時間を与える必要はなく、例えば朝9時から6時間後、つまり15時までの勤務であれば休憩時間はなくても問題ありませんが、それ以上労働する場合には45分の休憩が必要となります。
労働時間が8時間になると、1時間の休憩が必要になります。

クラウド勤怠管理システムでは、タイムカードと同様に休憩時間の打刻も行うことができますが、打刻をしてもらった結果休憩時間が法令の基準に満たない場合には、たとえその休憩が法令に満たない部分の時間について給与を支払っていたとしても、調査等の際に指摘される部分となります。
そのため、休憩の打刻については実施せず、労働時間の合計時間に応じて、自動的に休憩の必要時間を差し引くという方法が主流です。

ポイント2
「休憩時間」は法令に合わせて取得させる義務がある為、打刻しないほうが良い

ポイント3:半日有給休暇取得における問題点

半日有休、午後から取った方が得!
勤務時間によっては、そうなりますよね?

こちらは図の通りですが、「半日有給」という制度がある場合、9:00から勤務を開始し、12:00のお昼休憩までを午前休とすると、午後の勤務時間は5時間となります。
逆に、午前中に勤務をし、午後休む場合は勤務時間は3時間です。同じ0.5日の有給休暇でも取得時間に差が出てしまいます。

これらの不平等を是正するため、最近では「時間単位有休」制度を導入する企業が増えています。
時間有給を取り入れることで、「通院のため1時間だけ早退したい」「子供の通学時の交通安全当番で一時間だけ遅刻したい」といった要望に対して、有給休暇という形で柔軟に対応することができます。

ポイント3
「半日有休」は午前午後で不公平が生じる場合があるので、時間有給を取り入れて柔軟な対応を!

ポイント4:半休または時間有休取得時の残業時間の扱い

午前半休取得時の残業時間の扱いについては、会社により判断が必要となります。
通常勤務であれば、8:00から勤務を開始し、17:00以降は残業となります。

しかし午前休を取得した場合、休んでいた午前の4時間を「勤務時間」とみなし、通常時と同様に17:00からを残業時間とする「みなし勤務算入」パターンか、出勤した13:00からを勤務時間の計算開始とし、所定時間8時間を超えた分から残業とする「みなし勤務としない」パターンがあります。
そのため、図の例では残業時間、つまり1.25の割増賃金が発生しない形となります。

「みなし勤務としない」パターンの場合は、労働時間に対して自動休憩の差し引きも関わってくる形となります。

ポイント4
1日未満の有給休暇を取得した場合には、残業の算出開始時間に注意しましょう。

ポイント5:法定休日/法定外休日の違い

休日出勤をしたとき、土曜と日曜、どちらで出勤したほうが手当が多くなるでしょうか?
正解は、「法定休日」が平日の1.35倍、「法定外休日」が平日の1.25倍のため、法定休日が日曜日のコムデックは日曜に出てきた方が休日出勤手当は高くなります。

これまでクラウド勤怠管理を導入してきた多くの会社さまで、「土日どっちで出勤しても手当の金額は一緒」というケースが多くありました。

休日には「法定休日」と「法定外休日」の二種類があり、それぞれ休日出勤した際の割増率が異なります
法定休日とは、曜日は会社で任意に決められますが、週1回もしくは4週間に4回与えなくてはならない休みです。
図では、最も一般的な例として日曜日を法定休日と定めた場合を示しています。

平日においては、時間外勤務、つまり残業が1.25倍、22時以降の深夜残業は1.5倍となります。
賃金の額が「所定内」「定時から22時まで」「22時以降」の3つに分かれる形です。

対して、法定外休日、法定内休日等の休日出勤では、賃金の額は「22時まで」と「22時以降」の2つに分かれます。
多くの会社で土曜日に該当する法定外休日は、22時までは1.25倍、22時以降の深夜勤務が1.5倍となります。
法定休日に労働した場合は、22時までが1.35倍、そして22時以降の深夜勤務が1.6倍となります。
休日出勤時は「時間外勤務時に対して、所定内労働時間よりも割増率が上がることはない」為、注意が必要です。

補足として、夜勤の場合には、所定内であっても平日は1.25倍、法定外休日は1.5倍、法定休日は1.6倍となります。

ポイント5
法定休日と法定外休日では、休日出勤をした際の割増賃金が異なる

ポイント6:振替休日/代休の違い

御社の「振休」は本当に振替休日ですか?
多くの会社さまで、振替休日と代休を混ぜたような運用をされているケースをお見掛けします。

振替休日は、「同じ週内」「あらかじめ決まっている」「労働日と休日を入れ替える」ことが前提の休みです。
そのため、「法定休日の日曜日」に仕事をしても、「同じ週内の水曜日に振替」をするとあらかじめ定めていれば、単純に日曜日が労働日、水曜日が法定休日となり、割増賃金は発生しません

もうすでに「あれっ」と思われた方が多いのではないでしょうか。
忙しいから休日出勤をしているのに、入れ替える日が決まっていることは……正直、稀であると言わざるを得ません。

対して代休は、「入れ替える日が決まっていない」ものとなりますので、例えば日曜日に働いていただいた場合には、割増賃金の1.35倍が発生します

わかりやすく具体的な数字で計算してみましょう。
時給1,500円のAさんが日曜日に8時間の休日労働をした場合、1,500円×割増賃金1.35×労働8時間の16,200円の賃金を支払う必要があります。

その後、Aさんが翌週の水曜日に代休を取った場合は、「労働日に休んだ」こととなります。
そのため、時給1,500円×休暇8時間分の12,000円を差し引く必要があります。

結果的には、休日労働分16,200円の支払いから、休暇分12,000円を差し引きますので、4,200円の割り増し賃金分を支払うことになります。

これは、月をまたいだ場合でも同じ処理となります。
月をまたいだ場合は、働いた月に支払い休んだ月に差し引きの処理を行います。

これを、「休みを取るから」ということで働いた日に対して支払いを行わず、「代休が溜まっていく」状態になってしまうと、「割増賃金分を支払っていない」ことになりますので、労働基準監督署からの指摘を受けやすい運用となります。
つまり、代休制度は「休日労働分を支払わなくていい」魔法の制度ではないということは肝に銘じましょう。

ポイント6
振替休日は「あらかじめ労働日と休日を入れ替えることが決まっている」ため、割増賃金は不要代休の場合は「休日の労働し、平日に休む」ため割増賃金が必要

ポイント7:変形労働時間について

建築関連や介護関連の会社さまで就業規則に定めていることが多い変形労働時間制
1か月の変形労働制を取り入れていらっしゃることが多いのですが、制度を正確に把握・運用されていらっしゃる会社さまはあまり多くありません。

「一か月変形労働制」を取る場合、一か月の労働時間はその月の日数により変動します。
変形労働時間制とは「一日の労働時間や週の労働時間をあらかじめ定めることによって、1日8時間、週40時間を超えた労働時間を設定することができる」制度であり、設定したそれぞれの期間と時間について「日」「週」「月」での残業判定を行う形となります。

例えば、土曜日は隔週出勤を行う場合や、月初と月末はいそがしいけれど月中は余裕がある場合などに、繁閑の波を労働時間に反映することができる制度となります。
一か月で平均して、一週間あたりの労働時間が40時間以内であれば、一日8時間を超えて労働をさせることが可能です。

そのため、例えばこの週は45時間、次の週は36時間といったように定めることができます。
ただし、これはあらかじめ就業規則やシフトで定めておく必要があり、「来週忙しそうだから増やそう」といった設定は不可能となります。

変形労働時間制を採用した場合、残業時間はそれぞれ以下のように算出します。

日ごとの計算
・1日8時間を超えた時間 
 or
・変形労働時間制により、1日8時間以上の労働時間を設定した場合にはその時間を超えて労働した時間

週ごとの計算
・一週40時間を超えた時間
 or
・変形労働時間制により、一週間40時間以上の労働時間を設定した場合にはその時間を超えて労働した時間

月ごとの計算
・変形労働時間として定めた一か月の所定労働時間の総枠を超えた時間

ポイント7
変形労働制をとる場合でも、「基本は週40時間労働」

ポイントを押さえてクラウド勤怠導入へ!

さて、ここまで勤怠管理クラウド導入における7つのポイントについてご紹介いたしました。
解説したポイントをおさらいしましょう!

ポイント1:勤怠で管理するべき時間は4つ
「勤怠管理」においては「出社時間」「始業時間」「終業時間」「退社時間」の4つを管理する必要があります。

ポイント2:休憩時間の打刻は要注意!
「休憩時間」は法令に合わせて取得させる義務があるため、打刻しないほうが無難です。

ポイント3:「半日有休」は午前午後で不公平が生じる場合がある
時間有休を取り入れて柔軟な対応をすることで、従業員にとっての利便性をアップさせ、有休消化率を上げることができます。

ポイント4:1日未満の有給休暇を取得した場合には、残業の算出開始時間に注意
御社の就業規則はどうなっているか、一度ご確認ください。

ポイント5:法定休日と法定外休日では、休日出勤をした際の割増賃金が異なる
法定外休日の出勤は残業扱いとなりますので、45時間規制にも関わってきます。

ポイント6:振替休日は「あらかじめ労働日と休日を入れ替えることが決まっている」ため割増賃金は不要 代休の場合は「休日に労働し、平日に休む」ため割増賃金が必要
休日出勤分の割増賃金を支払わず、「代休がただ溜まっていく」状態は労基署から指摘を受けやすいポイントです。

ポイント7:変形労働制を取る場合でも、「基本は週40時間労働」
「40時間を超えて働かせることができる」面以外もしっかりと認識しましょう。

これらのポイントを把握し、自社の定義をしっかりと持っていただくことで、クラウド勤怠管理をよりスムーズに導入することが可能です。
7つのポイントそれぞれについて、御社ではどのような規定となっているか、この機会に見直されてはいかがでしょうか?