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半日かかった事務作業が数十秒に?!|ラケット専門店エバーラケット株式会社さまの事例

合言葉は「ラケットといつまでも」本気のガット針で顧客と共に成長する 地方ラケットスポーツ店の情報管理

「在庫管理は基本的に目視。だから過不足が起こりやすい…」
「前回のガット張りの内容が思い出せず、お客様に確認しなければならない」
「納品書や売上は手で入力。二重入力が必要なときも…」 

これらは、バドミントンやテニスラケットを扱われている専門店様からよく聞かれる問題…。

目視を頼りにした在庫管理。毎日閉店後に行わないといけない売上集計。
実は、IT化で解決できるんです!

伊勢本店 6/30 GRAND OPEN!!

紙での記録と記憶に頼った事務作業…脱却のためのIT改革

エバーラケット株式会社さまは、三重県内に2店舗(伊勢本店・津店)を構えるバドミントン・テニスラケットの専門店。
スタッフ全員が競技経験者で、プロの視点から用具選びや練習方法のアドバイスまでを行なってくれます。 

地域では最大級の在庫をお持ちのエバーラケット株式会社さま。
それだけにお客様からの問い合わせも多く在庫管理や売上集計などの業務も膨大です。 

開店中はお客様への対応を行うため、どうしても事務作業はあと回しになってしまいます。
結果的に、閉店後に残って事務作業をすることも多く、そうした状況を改善したいと考えておられました。

納品書の手入力には半日を要すことも…

エバーラケット株式会社さまが行なっていた事務作業は大きく分けて、下記の4つです。 

  1. 納品書の入力
  2. 売上集計や分析
  3. 在庫管理
  4. ガット張りの情報管理

紙の納品書を1枚ずつ販売管理システムに入力していると、半日以上かかってしまいます。 

また、売上データが一括管理されていなかったため、商品の売れ行きや新製品の発注など売り上げを左右する発注管理が満足に行えていませんでした。
レジ業務をしていないと売れ行きの感覚がつかみにくかったのです。

在庫も問い合わせをいただくたび倉庫内を目視しており、発注履歴を一元管理していなかったため、確認に時間を要しました。
そのため、二重発注や在庫の補充忘れなどのミスが起こることも。
棚卸しも紙で行なっていたため、在庫単価の計算にも手間がかかりました。

ラケット専門店特有の「ガット張り」の作業も、改善の余地があると考えておられました。
ガットのポンド数(張りの強さ)は選手によって異なるため、過去にどのような対応をしたかのチェックが欠かせません。
しかし、対応履歴も紙の受付表から探さなければいけなかったため、時間がかかりました。

在庫管理をしていたAccessの画面

頑張るからこそ陥りがちなミス?二重入力の手間も問題に

事務作業のIT化で効率化を図りたいと考えているお客様の中には、すでに販売管理システムを導入されているケースもあります。

しかし、紙に書かれた情報をPC内のシステムに入力する、いわゆる「二重入力」が起こっていることも。
これでは手間がかかってしまい、効率化ができないばかりか、入力時の打ち間違い(ヒューマンエラー)も避けられません…。

エバーラケット株式会社さまも例に漏れず、販売管理システムへの手入力が大きな負担になっていました。
しっかりデータを管理するという努力は重要ですが、事務作業に関してはより根本的な効率化を考える必要があります。

効率的な事務→結果を出す「顧客への提案」ができるワケ

事務作業を短縮し、ミスが減る仕組みづくりをすることで、お客様視点に立ったサービス改善に時間を費やせます。
エバーラケット株式会社さまが目指したのは、「今まで以上に質の高いサービス提供」です。

お客様の趣向を理解し、柔軟なサービス提供ができれば、お客様の満足度はより高まるはずです。 
例えば、特定のメーカーを購入されているお客様に対してはそのメーカーの新商品の案内(DM送付など)を行いたいですよね。

こうした細やかな提案も、過去の売上データがあってこそです。 
「ラケットといつまでも!!」を合言葉として掲げるエバーラケット株式会社さま。
よりお客様のスポーツライフを応援すべく、IT改革が始まりました…! 

今まで使っていた販売管理システムに原因が

エバーラケット株式会社さまでは当初、Microsoft Office Accessで業務管理の多くを行っていました。

しかし、Accessでは情報の一元管理ができませんでした。

例えば、在庫管理、販売管理はAccessで管理をしていましたが、ガット張りの代金をいただいていたかどうかは毎回レジで検索する必要がありました。
また、ラケット保証サービス(購入日からの日数によって保証額が変動)を行う際は、販売日からの日数を起算して金額を手動計算していました。

お客様を待たせてしまうだけでなく、数え間違いが起こるリスクもあります。
そのほかにも、Accessによる既存の販売管理ではこのような問題が生じていました。

  • ガットの回数券…Accessで誤登録をすると修正が大変なため、同じ情報を紙でも作成定期的に比較していた。
  • DM送付の際は業者に連絡をして毎回作ってもらう必要があった。
  • 大会などで訪問販売を行う際は、最後に残った商品を見て「何が売れたか」を確認していた。

必要な情報を必要なときに引き出せない、あるいは登録できない。
このような問題が業務全体に起こっていたことが分かりますね。
しかし…これらの問題はすベて新しい販売管理システムの導入で解決できたのです!

販売管理システム「スマートラケット」で事務作業をIT化!

まず、IT改革の第一歩として、新しい販売管理システム「スマートラケット」を導入しました。
スマートラケットとは、ラケット専門店のためだけに作られた販売管理システムです。 

Accessに取って代わってスマートラケットを使うことで、より効率的な販売管理に加え、お客様への最適な提案が可能になります。

スマートラケット

スマートラケットで商品を確認している様子

登録作業・在庫管理がここまで簡単に

早速、スマートラケットによってどのような変化がもたらされたのかを見てみましょう。 

まずは、「作業効率化」です。
仕入のデータを一括登録できるようになり、面倒な入力は不要になりました。
半日かかっていた作業が、今では数十秒で完結します!

目視で確認しなければいけなかった在庫も、スマートラケット上で品番を検索すればすぐに分かるように。
お客様からのお問い合わせにも即答できるようになりました!

また、商品の取り置きサービスといった新しいサービスを開始することも可能にしたのです。 

ガット張りの作業では、受付書への記入とシステム上の売上入力の二度手間がなくなりました
今までは、ラケットの引き渡し時に「支払済みかどうか」をチェックする必要がありましたが、スマートラケット上で各ラケットのステータス管理*をすることで、確認が不要に!

ガットの回数券も残回数が自動でレシートに記載され、紙での二重管理から解放されました。
 
*料金が未受領となっているラケットは、スマートラケット上で「引き渡し済み」にステータス変更ができないように設定しました。

訪問販売先でも活躍するスマラケ

製品を持ち出して試合会場などで販売する際、売上登録は帰社後に行わなければなりませんでした。

しかし、今では現場でスマートラケットを使えるため、店舗にいるときと同じように売上登録がその場で完結
これで大きな時間短縮が可能となり、スタッフの労力を軽減できます。 

売上データの活用も。IT化で過去のデータが「武器」 になる

ショップの販売履歴も今や記憶に頼る必要はありません。

正確な販売データをもとに「今月はこの商品がよく売れたね。来月は在庫を増やそう!」といった売り上げに直結する判断が下しやすくなりました。
以前は外部依頼をして作ってもらったDM送付リストも、今ではフィルター検索で欲しいリストを自分たちで引き出せます

社長がリーダーシップを取り、改革を推進…!

IT改革を進める上で欠かせないのは、リーダーシップです。

今回は宮田社長がキーマンとなり、「こんなことができればもっと良くなるのではないか」といったアイディアを出し続けてくださいました。
コムデックがそのご要望を取り入れ、システムに反映することで、よりエバーラケット株式会社さまにフィットするIT改革が行えたのです。

既存のシステムからの移行はスタッフにとってもチャレンジングです。
だからこそ、対話を大切にしながらIT化を進めていく必要があります。

実際にITツールを運用し始めると、新たな問題に気づくのが常です。
業務内容が変化すれば、当然システムもそれに追従しなければなりません。

お互いにボールを打ち合うように対面開発を進めていくことで、お客様と一緒にシステムも育っていきます! 

「カイクラ」との連動で、電話応対もスムーズ&確実に!

現場の意見を聞き、システムをアップデートすることで、より業務は効率化される。
そんな好例が、今回エバーラケット株式会社さまと行なった改革の中でもありました。 

スマートラケットの導入で、来店されたお客様に対してはサービスの質がぐんと向上しました。

しかし、電話対応については改善の余地が…。

電話をいただいた際に毎回システムを立ち上げる必要があり、時間がかかってしまっていたのです。 
そこで、スマートラケット上に登録されている情報(購入履歴やガット交換の回数券、取り置き商品など)を「カイクラ」と連動させることにしました。 

カイクラを使うことで、着信時に画面に顧客情報を自動表示させることができます。 
これにより、電話対応であっても、来店されたお客様と同じようなクオリティで接客できるようになったのです。

カイクラ

カイクラを見ながら電話対応をしている様子

【IT化の結果は?】新サービスに充てる時間が増え、受注件数は120%に

スマートラケットとカイクラを自社にフィットさせることに成功したエバーラケット株式会社さま。
事務作業が効率化することで、顧客満足度を高めるためのサービスを考える時間が生まれました。 

ガット張りでは、「前回のポンド数は〇〇でしたが、今回はどうでしょうか?」最適なポンド数を提案できるように。
そして、お客様に合わせて新商品やセール案内をお送りできるように。 

結果として、ガット張りの件数はスマートラケット導入前の120%を達成!
お客様にとって有益な情報発信ができるようになったことで、今後もラケットスポーツの発展に大きな貢献をなされることでしょう! 

今後は、幅広い顧客情報(アンケートや大会記録)などを集めることでよりサービスを充実させていくとのことです。
コムデックとのIT改革は今後も続きます!

スマートラケットは全国のラケット販売店様が利用されています

本記事で紹介した、ラケット販売店向け販売管理システム「スマートラケット」は、サービス化をしており、全国のラケット販売店さまがご利用されています。
 ▼スマートラケット(スマラケ)についての詳細を見る(当社商品ページ)

 在庫管理や、売上分析で改善をしたいと考えられているショップ運営者さまはぜひ、お気軽にご相談ください!

エバーラケット株式会社さま、ご協力ありがとうございました!


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この記事を書いた人

佐田 薫士

『kintoneスペシャリスト』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 主にkintoneのカスタマイズを得意とし、サイボウズ認定資格である「kintone Associate」「kintone Customization Specialist」「kintone AppDesignSpecialist」「System Design Expert」を取得しています。 kintoneは他ツール(RPAや販売管理システム等)との連携も得意としていますので、皆様の業務の手助けになりそうな事例を見つけ、是非ご相談ください! youtube「kintone芸人」で検索!

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